BMW伝統のシルキーシックス、6気筒NA N52エンジンですが、なかなか壊れにくいエンジンです。
2005〜2013年にかけて、1シリーズ 、3シリーズ、5シリーズ、Z4、Xシリーズなどで幅広く使われています。
数多くのモデルで採用された結果、経年劣化により壊れるところもおおよそ決まってます。
あらかじめ予防整備するなり、スペアパーツを用意しておいたりすると、出先での急なトラブルを避けられるはず。
帰れなくなる重大トラブルから、エンジン不調の原因まで、順に解説します。
パーツ価格はFCP EuroでのOEパーツの価格です。
帰れなくなる重大トラブル
- オルタネーター
- バッテリー
- ラジエターホース 、クーラントホース
- ウオーターポンプ&サーモスタット
- オイルフィルターハウジング
1 オルタネーター
発電を司るオルタオターはそれほど壊れやすい部品ではないのですが、経年劣化により発電量が安定しなくなったり、過充電を引き起こすことがあります。
悪くするとエンジンが突然ストップすることがあります。
パワーステアリングポンプへの電気供給もカットするので、とてつもなく重ステになります。
IBS(インテリジェンスバッテリーセンサー)不良、ウオーターポンプ不良などのエラーが前兆が出ることがあるので、注意。
オルタネーター、丸ごと交換するとなると、結構高い部品なのですが、多くの場合は電圧レギュレーター 交換で、オルタネーター本体の10分の1ほどの費用で改善する様です。DIYで作業可能です。
ボッシュレギュレーター $40-、ボルトキット $21-
ちなみにうちの子は、走行中にオルタネーターのプーリーが外れ、テンションプーリー、ベルトを破損しえらいことになったことがあります。異音があれば、停車して確認を。
2 バッテリー
厳密にはエンジン部品ではないのですが、バッテリーは2〜3年で寿命を迎えます。
エンジンがなかなかかからない。ライトが弱い、エアコンが効かない、ワイパーが遅いなどの症状があれば、バッテリーは替え時かも。
DIYで交換可能ですが、交換後バッテリー登録をしてやる必要があるので、対応したOBDIIリーダーが必要です。
BMWのバッテリはー前後の重量配分の関係からトランクルーム内にあります。
ただ、バッテリー切れでジャンプする場合、ジャンプケーブルを直接バッテリーにつないではいけません。
電気回路を破壊し、余計な部品交換が必要となってしまうことがあります。
必ず、エンジンルーム内の赤端子とボディアースでジャンプしましょう。
3 ラジエターホース 、クーラントホース
ラジエターホース 、クーラントホース からの冷却水漏れが発生すると、エンジン停止を招くことがあります。
特に気にすべきポイントは3つ。
- サーモスタットから、シリンダーヘッドに接続しているフランジ
- アッパーラジエターホース から、リザーブタンク側への取り出し口
- ラジエター上部のリザーブタンクへ戻るベントライン
特に1は、プラスチックで出来ており、エンジンの熱とオイル、冷却水の影響でボロボロに砕け散るので、早急に社外の金属製対策部品に交換することが望ましいです。すべてDIYで交換可能です。
ラジエターアッパーホース $30-、クーラントホース フランジ $25-、ベントライン $30-
4 ウオーターポンプ&サーモスタット
ウオーターポンプとサーモスタットは経年劣化で10万キロほどで壊れます。
壊れると走行不能となるので、そろそろかなと思ったら早めの交換がおすすめです。
DIYで交換可能ですが、下側から作業する必要があるので、フロアジャッキとジャッキスタンド(馬)は必須ですね。
ウオーターポンプとサーモスタット$370- (ボルト、クーラント液含む)
5 オイルフィルターハウジング
シリンダーヘッドの横のオイルフィルターハウジング、ここからのオイル漏れは特に早急に対処する必要があります。
上記のクーラントホース フランジの劣化の原因となりますし、また、ベルトへのオイル付着から、補機類に大ダメージを与える可能性があります。
オイル滲みを発見したら早急に対応を。DIYで交換可能です。
ガスケット$12-、ボルト $12-
エンジンがボコつくトラブル
- イグニッションコイル&スパークプラグ
- VANOSソレノイド
- カムシャフトポジションセンサー
- クランクシャフトポジションセンサー
- PCVバルブ
6 イグニッションコイル&スパークプラグ
エンジンがゴロゴロしていたり、信号待ち時に振動が感じられる場合、いずれかの気筒のダイレクトイグニッションコイルが不良になっている可能性があります。この様な場合、コイルとプラグの交換が必要です。
以前はBOSCH製でしたが、現在は更新されDelphiのコイルとNGKのスパークプラグが良いそうです。
ちなみに、BOSCHとDelphiのコイルは混ぜて使うのはNGです。この際バーンと全気筒分交換しましょう。DIYで交換可能です。
コイル+プラグキット $240- (6本分)
7 VANOSソレノイド
シリンダーヘッド前面のVANOSソレノイドは、バルブのリフト量の制御に直接関わっており、VANOSソレノイド不調になると、エンジンがゴロゴロします。
VANOSソレノイドを取り外し、クリーナーで清掃するだけでOKですが、この際、9Vバッテリーを使って、ソレノイドを動作させて内部の汚れも清掃できれば尚良いです。DIYで作業可能です。
パーツ交換すると純正で1個あたり$201-
8 カムシャフトポジションセンサー
VANOSソレノイドの近くにあるのがカムシャフトポジションセンサー。点火タイミングの制御に関わっています。
不調になると、エンジンがゴロゴロします。
部品交換での対応となります。DIYで交換可能です。
センサー $52-
9 クランクシャフトポジションセンサー
インテイク マニフォールドの下の方にある、クランクシャフトポジションセンサー、こちらも点火タイミングの制御に関わっています。不調になると、エンジンがゴロゴロします。
部品交換での対応となります。DIYで交換可能ですが、かなり奥まった箇所にあるので、マニフォールドを完全に外すか、長いエクステンションでパーツの隙間からアクセスする必要があり、難易度が高いです。(主に場所が難しいだけです)
センサー $73-
10 PCVバルブ
旧モデルでは、マニフォールドの内側、新モデルでは、バルブカバー奥に配置されています。
不調になると、エンジンがゴロゴロします。
部品交換での対応となります。DIYで交換可能ですが、かなり奥まった箇所にあるので、結構大変です。
機会があれば直しておきたいトラブル
- バルブカバーオイル漏れ
- オイルパンオイル漏れ
- エンジンマウント寿命
11 バルブカバーオイル漏れ
アルミボルトが伸びてしまうことにより、起こるそうです。
プラグホールへのオイル漏れが発生すると、点火不良が起こるので、症状によっては早急な対処が必要です。
DIVで交換可能ですが、たくさんのボルトを交換し、トルク管理も重要となるので、時間がかかります。
ガスケットキット $107-
12 オイルパンオイル漏れ
こちらもバルブカバーと同じく、持病の様なものです。
ただ、ガスケットの交換自体はDIYでも十分可能なのですが、オイルパンを取り外すためにはサブフレームを外す必要があり、DIYでの作業は非常に難易度が高いです。
フロアジャッキ、ジャッキスタンド、エンジンハンガー(上から吊るもの)が必要になります。
ガスケット $35-、ボルトセット $34-
13 エンジンマウント
左右2か所でエンジンを下から支えるエンジンマウントは10万キロほどで、劣化して使い物にならなくなります。
DIYでの交換も可能ですが、奥まった狭いところの部品交換となるため、なかなか大変な作業となります。
エンジンマウントキット$170-